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越智敏洋(TOSSいちばん星)
先生と子ども、子ども同士などで交代で読んでいく方法を「交代読み」と言います。
この交代読みについて紹介します。
方法20 追い読み
先生が読んだところを、子どもたちが続けて読む音読指導の方法である。
授業で行う音読の基本となる。
この追い読みができなければ、ほとんどの音読指導ができないと考えてもよいくらい重要だ。
音読指導で最も重要なので、授業中の比重も大きくなる。
追い読みは、教師の後を同じように児童が読んでいく。
ということは、教師の癖やいらない間もマネして学んでいく。
教師が教材を正しくすらすらと読めるようになっておくことが大前提となる。
特に重要なのは、始めの一文だ。
ここさえできていれば何とかなる。
物語であれば、題名だ。例えば、
「先生に続けて読みます。ごんぎつね。」
と教師が読んだ後、子どもたちが、
「ごごんぎつね。」
と合っていない状態で、次の「新美南吉」は読まない。
始めが肝心。
ここを揃えるからあとも揃う。全員の声が揃った状態で、ぶれずに、
「ごんぎつね。」
と聞こえるまで、読ませる。
もう一度、教師が、
「ごんぎつね。」
と読むだけでよい。大抵はこれで揃う。もしもダメなら、
「さっきよりも揃ってきた。もう一度。ごんぎつね。」
と褒めてあげればよい。始まりから叱っているようでは、その後の音読の声量にも影響するし、先生も子どもも気持ちよくない。
「今の読み方はとってもいい。」
と後は続けていけばよい。
方法21 先生−男子−女子
方法22 先生−女子−男子
追い読みで音読が上手になってきたら、少しずつ先生の手(声)から子どもたちを離れさせていく。
21であれば女子、22であれば男子は、先生の音読から離れたところにある。
これだけでも音読の難易度があがる。
離れている方が難しいのだ。
21を例に挙げると、先生に続く男子は、先生の終わり方のタイミングを感じて読み始められる。しかし、女子は男子の読み終わりが突然切れるような終わり方になるため、始めの一文字がそろいにくい。
5文ほど読む中でタイミングが合ってくるが、配慮しておく必要がある。
方法23 男女交代読み
方法24 女男交代読み
21、22の発展型となる。
難易度は先生が入らなくなる分、ぐっと上がる。
初めての時は、3〜5行目で、ぐだぐだになってしまう。
かといって、挑戦させなければずっとそのまま。
始めは短い詩文で挑戦させるとよい。
初挑戦の際にはできなくて当たり前、できたらすごい!
方法25 わかち書き読み
方法26 句点(丸)読み
方法27 読点(点)読み
25〜27は、音読の区切り方である。
「表現指導」の項目で詳細を記述する。
方法28 列交代読み
方法29 班交代読み
男女よりも少し小さな集団で読ませる時に行う。
3グループ〜6グループくらいになるので、難しい。
方法30 たけのこ読み
詩文の教材などで実践できる。
方法31 上下での交代読み
七五調の詩文等リズムの取りやすい教材で行える。
方法32 重ね読み、追いかけっこ読み
「カエルのうた」の合唱を音読にしたイメージでよい。
ずいずいずっころばし、祭などで可能である。
方法33 語尾のかぶせ読み(約1文字)
方法34 語尾のかぶせ読み(約2文字)
方法35 語尾のかぶせ読み(約3文字)
説明文や物語文で、音読のリズムを作るために使える。
子どもの音読の最後にかぶせるように読む。
普通の交代読みであれば、
子ども「おはようございます。 こんにちは。」
教 師「 おはようございます。 こんにちは。」
となるが、かぶせ読みだと、
子ども「おはようございます。 こんにちは。」
教 師「 おはようございます。 こんにちは。」
となる。
声がとぎれることがなくなるので、スピードを上げなくても音読にリズムが出てくる。